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減圧症に罹るレジャーダイバーが急増している事実 2009.12.09
昔は、減圧症といえば潜水作業者などの職業ダイバーが罹る障害と思われていたんですが、最近は一般のレジャーダイバーの 間でも減圧症患者が急増しているという、非常に気がかりな現実があります。
T(テーブル)6という最新のプログラムで再圧治療を行っている数少ない施設ということで、ダイバーの間では減圧症 治療の駆け込み寺的存在として有名な 東京医科歯科大学医学部附属病院の高気圧治療部。
ここで減圧症の治療を受けたレジャーダイバーの数は、2000年以降異常なペースで増えています。 (減圧症の治療を受けたレジャーダイバーの患者数推移)
恐らく国内全体の減圧症患者数も、同様に急増していることでしょう。
減圧症患者急増の原因は?
その要因は、前ページ「ダイブコンピュータの功罪」にも書いたようにいろいろあるでしょうが、 一つには、ダイブコンピュータの普及にある、と言われています。
ダイブコンピュータにすべて依存し、コンピュータが示す無減圧潜水時間ぎりぎりまで潜るダイバーが増えたため、 というのがその理由です。
確かに90年代半ば以降ダイブコンピュータが広く普及しだしたことと、減圧症患者増加の時期は符号するので、 それが大きな原因になっていることは、恐らく間違いないでしょう。
でも、もう一つ原因があるように思います。
それは、レジャーダイバーが1日に潜る本数が増えてきたこと。今や国内でも1日3本が当たり前のようになって きているようです。
昔は1日3本といった場合、3本目はナイトダイビングと相場は決まっていたもんです。しかも、潜った後は現地に 泊まるということも結構ありました。
ところが、今は2本目の延長といった感覚で、1本目と同じように水面休息した後、続けて3本目を潜るといったスタイルが 広がっています。
ネット上には減圧症体験者のサイトがたくさんありますが、1日3本以上のダイビングを行って発症したケースが多く見られます。
ダイブコンピュータがあればこそ、こんなダイビングも可能になるので、ある意味ではこれもダイブコンピュータの普及の せいかも知れません。
減圧症発症のリスク
減圧症は、高圧環境下で体内に過剰に溜まった窒素が原因で起こることは、ご存知の通り。
窒素の溜まり方は体の組織によって異なり、吸収排出のスピードが「速い組織」と、「遅い組織」があります。
1日のダイビング本数が増えるに従い、吸収される窒素の量は確実に増加し、吸収の「早い組織」は減圧不要限界値(M値) ぎりぎりの状態となり、結果中枢神経障害やめまい、呼吸困難などのⅡ型減圧症の要因になります。
また、「遅い組織」は抜けるまでに長時間かかるため、ここに大量の窒素を溜めるということは、長時間危険な状態に 身をさらすことになり、関節や筋肉の痛み、皮膚のかゆみや発疹などのⅠ型減圧症の要因になります。
特にダイビング後の高所移動、飲酒、運動、入浴など、ちょっとしたことで減圧症を発症しかねません。
高所移動といっても別に山岳地帯を帰るわけじゃないから大丈夫、と思うかもしれませんが、標高300m~400m以上なら 立派な高所移動になるんです。
安全ダイブを目指して
ダイブコンピュータがそれほど普及しておらず、ダイブテーブルに頼っていたころは、続けて3ダイブなど考えられず、 怖くてできませんでした。
そのため、1日2ダイブが原則で、今から思うとそれが減圧症の予防に役立っていたのでしょう。
減圧症を経験した人の中には、軽症で済みダイビングに復帰できたような幸運な人もいますが、ちょっとしたことで再発 しやすい体になってしまいます。
また、残念ながらダイビングを断念せざるを得なくなり、ダイビング仲間の前から人知れず消えていったり、ひどい場合は 一生松葉杖、車椅子といったケースもあります。
ダイビングは自己責任が原則。自分の体は、自分でしか守れません。
もう若くはないので、自分の体と相談しながら、これからもマイペースでダイビングを楽しんでいこうと思います。

<参考サイト>
ダイビングギアメーカー TUSAの「減圧症の予防法を知ろう」
元東京医科歯科大学医学部附属病院医師 山見信夫氏監修の「ダイビング医学」
<参考>関西地方で高所移動となる主な場所の標高
<若狭湾方面>
 国道162号線 深見トンネル:430m、笠トンネル:390m、堀越トンネル:360m
 国道173号線 はらがわたトンネル:540m、天王トンネル:470m
<熊野・新宮方面>
 国道169号線 全般的に300m超、新伯母峰トンネル:700m超、北上山村天ヶ瀬:550m
 国道309号線 全般的に400m超、行者環トンネル:1,095m、
 国道168号線 新天辻隧道:650m、猿谷貯水池付近:440m、大塔町内:425m

以下のサイトで地図上の任意のルートを指定すると、その指定された行程の標高がグラフ表示されます。高所移動リスクのチェックに便利です。
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/create
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